2025/5/26

【障害年金/事例紹介】統合失調症

1️⃣概要
統合失調症の方の障害年金申請に関する事例で、認定日請求(初診日から1年半後の時点での請求)と額改定請求を組み合わせたことで、最初は3級だったものが2級に改定されたケースです。

2️⃣主な経緯と課題
・ご本人は厚生年金に加入しており、認定日請求を希望。
・認定日の診断書に記載された症状と本人の実感にギャップがあった(病院の診断が軽めだった)。
・申請の意思が強かったため、軽めの診断書であっても申請を実施。
・結果:認定日3級、事後重症3級の裁定となる。

2️⃣額改定請求による変化
・事後重症の診断書の裏面内容が2級相当である可能性を感じ、原簿(年金機構の内部記録)を取得。
・原簿上の等級が2級と記録されていたため、結果的に3級から2級へ等級が改定された。
・この変化は、あらかじめ額改定請求書を裁定請求時に添付していたために実現した。

3️⃣額改定請求の意義と注意点
・額改定請求を提出していなければ、3級のまま審査終了していた可能性が高い。
・提出済みであったため、2級相当と判断された際に自動的に等級改定が進行。
・年金証書に記載されるのは認定日時点の等級のみであり、事後重症による変化は別途通知される。
・支給額変更通知書により、2級に変更された事実が本人にも伝わる。

4️⃣実務上のポイント
・証書が届いた時点で安心して終わらせず、原簿や控えの再確認が重要。
・疑義がある場合は、原簿の取得や支給額変更通知書の確認など、徹底的なフォローが必要。
・原簿には等級、診断書提出年月、次回提出予定、金額など多くの有用情報が記載されている。
・原簿や支払い記録紹介は、年金事務所に依頼すれば開示可能。

5️⃣結論
障害年金の請求は、提出書類だけでなく、その後の対応も極めて重要。額改定請求書の提出が、将来的な等級改定や遡及請求の布石になることを踏まえ、慎重かつ丁寧な手続きを行うべきであるという実例でした。

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