
2025/6/11
PTSD(心的外傷後ストレス障害)とは?症状・原因・治療法をわかりやすく解説
PTSD(Post Traumatic Stress Disorder)、日本語では「心的外傷後ストレス障害」と呼ばれるこの疾患は、強いストレスやトラウマ体験の後に心と体に現れる精神的な障害です。戦争や災害、事故、暴力など、生命の危機を感じるような強い体験が引き金になることが多く、近年では一般にも広く知られるようになってきました。
本記事では、PTSDの主な症状や原因、そして治療法について、専門知識がない方にもわかりやすくご紹介します。
●PTSDの主な症状
PTSDには以下のような代表的な症状があり、大きく4つのタイプに分けられます。
1. フラッシュバック(再体験)
トラウマとなった出来事が、まるで今また起きているかのように突然よみがえる現象です。夢や日常の音・匂いなどがきっかけになることがあり、激しい恐怖や不安に襲われることもあります。
2. 回避行動
トラウマを思い出させる場所、人、状況などを避けようとします。例えば、交通事故に遭った人が車に乗ることを極端に避けるようになる、などが典型例です。
3. 過覚醒
些細な物音に敏感になったり、常に神経が高ぶった状態で落ち着かなくなったりします。不眠、怒りっぽさ、集中力の低下などもこの一種です。
4. 感情の麻痺・否定的な思考
自分や他人、世界に対して否定的な感情を持つようになり、喜びや愛情を感じにくくなることもあります。孤立感や無力感、将来への希望が持てないといった精神的な落ち込みが見られます。
●PTSDの原因
PTSDの原因となる体験は人によってさまざまですが、以下のようなケースがよく見られます。
・交通事故や自然災害(地震・津波など)
・犯罪被害(暴行、強盗、性被害など)
・家庭内暴力や虐待
・戦争・テロ
・突然の身近な人の死
なお、同じ体験をしてもPTSDを発症する人としない人がいます。発症の有無には、その人の性格、過去の経験、サポート環境なども大きく影響します。
●PTSDは誰にでも起こりうる
PTSDは、特別な人だけがなるわけではありません。子どもから大人まで、誰にでも発症する可能性があります。たとえ一見「些細なこと」と感じるような体験でも、その人にとって深い傷となっていれば、PTSDを引き起こすことがあります。
●PTSDの治療法
PTSDは適切な治療を受けることで、症状を軽減したり、回復することが可能です。主な治療法には以下のようなものがあります。
1. 心理療法(カウンセリング)
認知行動療法(CBT) 不安や恐怖を引き起こす考え方のクセを見直し、現実的な思考パターンに変えていく方法です。
EMDR(眼球運動による脱感作と再処理法) トラウマの記憶に向き合いながら、眼球を特定のパターンで動かすことで、記憶の処理を助けます。
2. 薬物療法
必要に応じて抗うつ薬や抗不安薬が処方されることもあります。睡眠障害や不安の軽減に効果がある場合があります。
●周囲の理解と支援も重要
PTSDの回復には、周囲の理解と支えも大切です。決して「甘えている」や「気にしすぎ」と片付けることなく、その人の感じている恐怖や苦しみに寄り添う姿勢が求められます。
また、本人がなかなか自分の症状に気づけない場合もあります。もし大切な人に思い当たる様子があれば、無理に聞き出すのではなく、専門家への相談を促すのが良いでしょう。
●まとめ:PTSDは「心の傷」、回復には時間と支援が必要
PTSDは、体のけがと同じように「心の傷」として理解されるべきものです。症状は目に見えにくく、本人も周囲も気づきにくいことがありますが、適切な治療を受けることで回復が可能です。
大切なのは、「一人で抱え込まないこと」。自分自身、または身近な人に心の不調が見られた場合には、早めに専門機関へ相談することをおすすめします。
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